無限音界

ここでは、音楽に関することをいろいろ書いていきたいと思います。

HOME


2004/03/22 ジャワ・ガムラン 〜 精霊の楽舞 〜(live)
2000/03/21 Symphony No.4(Johannes Brahms)(live)
2000/02/06 Symphony No.8 (Anton Bruckner) (CD)
1999/11/07 Symphony No.6 & No.3 (Petr Ilych Tchaikovsky)(Live)


2004/03/22 スクエア −ガムランに舞う−

 今回は、演奏しないので、お手伝いがてら、見に行くことにする。
 会場のArt Theater dBは意外に小さい。無理やり詰めて100席だそうな。
 とりあえず、録音掛を兼ねて、公演を見る。自分の所属するダルマ・ブダヤのコンサートを生で聴くのは、はじめてなので、ちょっと期待。ちょっと不安。

 公演がはじまる。舞台上では、ガムランの音と、由良部さんの舞踏と、佐久間さんのャワ舞踊の、調和しつつ不調和な、微妙なバランスのコラボレーションが繰り広げられている。ただ曲だけの演奏よりも、まったく別のもの(舞踏)を組み合わせた方が、はるかに面白いものだと思う。異質なものがぶつかり合ってできた調和は、その微妙なバランスという名の危うさと、常にとなりあわせだ。しかし、今、まさにこの瞬間に創り出された調和は、とても美しい。そう、ただ美しいというべきものなのだろう。

 公演では、興味深いシーンは、scene2 金属の贈り物 の、由良部さんの踊りと、ガムランの音が、ぎりぎりのところで、鬩ぎあっててとてもいい感じだった。それから、scene6 ししまいおしまい の、最後の方の赤い照明に赤い布がはためくシーンが、その赤色がとても綺麗で、その色と世界に見惚れてしまった。あのシーンは、もっと長くてもよいかも。あの赤の綺麗さをじっくりと味わいたかった。

演奏ダルマ・ブダヤ
場所Art Theater dB (live)
日時2004/03/20(土) 19:30開演
2004/03/21(日) 15:00開演

TOP


2000/11/26 ジャワ・ガムラン 〜 精霊の楽舞 〜

ガムランセット-1 ガムランセット-2

 久しぶりに聴きに行ったコンサートは、ジャワ・ガムランのコンサートです。現地の人が演奏するのを生で聞くのは、はじめてなのでけっこう期待していました。もちろん、期待は現実となるからすばらしいのですよ!

 コンサートは2部にわかれていて、前半は「祓い―ワヤン・クリのガムラン」、後半は「祈り―瞑想のガムラン」という表題がつけられていました。
 それにしても、はじめて生で聞く本場のガムランは、とても耳に心地よく、音楽に身をゆだねていると、起きているときと寝ているときの中間のような気分になってきます。そのまま、心地よい眠りにつくもよし、しばし覚醒して音の流れに身を委ねるもよし.................。淡々と続けられる演奏は、ときに大きく、ときに小さく、ときに早く、ときに遅く、一つの大きな構造の中で、様々に音楽のかたちを変えていきます。それは、ある種の宇宙の中で浮かんでいるようなものなのかもしれません。

 それから、このガムランには踊りがつけられることがあります。この踊りは、様々な動きが一つの様式に統一された、とても美しいものでした。その独特の動きと音楽が渾然一体となって織り成す、物語は一回見ただけでは筋がわからなかったのですが、それでも曳き込まれるものがありました。


演奏SAPTOBUDOYO
場所浜離宮ホール(live)
日時2000/11/26(日) 14:00開演

TOP


2000/03/19 Symphony No.4(Johannes Brahms)

 またまた、小林研一郎(以下コバケン)のコンサートに行ってしまった。なんか、最近クラシックを聞くと、CDならコバケンかクナ(Hans Knappertsbush)になっている。やっぱ、ロマンティック!!!っていうのは、ちょっと偏ってるかな。
 それはさておき、このコンサート、曲目は全3曲で、こんな曲でした。

交響詩「フィンランディア」 (Sibelius)
ピアノ協奏曲イ短調 (Grieg) (ピアノ:田部京子)
交響曲第四番 (Bragms)
(アンコール)
ハンガリー舞曲第五番

 簡単に、感想を書いておくと、フィンランディアでは、瑞々しいオーケストラの音が際限なく広がって、はるか異国の広い大地を思わせる.......そんな演奏でした。
 ピアノ協奏曲は、田部さんの演奏を十二分に生かしたオーケストラの演奏は「さすがコバケン!なかなか、渋いことをする」とおもわずうなってしまいました。

 さて、本題のBrahmsの交響曲四番です。
 実はこの曲は私の好きな曲の一つで、Brahmsの他の交響曲はあまり好きではないのですが、この曲だけは好きで好きでたまらない!!といった感じです。しかも、この曲をロマンティック!!に演奏しないとその真価が発揮されないので、演奏はとても難しいと思います。
 実ははじめて聞くコバケンのBrahmsの交響曲四番。期待に胸躍らせて聞くと、もうこれが、すばらしい!!!!!!
 なんか、言葉にするのと、その感動が言葉の隙間からぽろぽろとこぼれ落ちてしまうようにすばらしい。ロマンティックで禁欲的で官能的な旋律の絡み合いがたまらなくて...............
 すごいぞコバケン!!思わず名古屋の実家へもどろうかと本気で考えたぞ!!!(コバケンは名古屋フィルの音楽総監督をしている)

 それはいいのだが、曲の終わった瞬間に拍手を入れるやつって最悪ですね。少なくとも、指揮者がタクト(指揮棒)を降ろすまでは演奏中ってことなんだし.........。それに、演奏の終わった後のホールに残る余韻を楽しめないじゃないか。ほんとうに、無粋なやつだ。(実は、演奏がむちゃくちゃよかっただけに、ものすごく、腹がたっていたりする。)

曲名Symphony No.4(Johannes Brahms)
指揮者小林研一郎
演奏大阪センチュリー交響楽団
場所ザ シンフォニー ホール(live)
日時2000/03/19(日) 14:00開演

TOP


2000/02/06 Symphony No.8 (Anton Bruckner)

久しぶりにクナ(Hans Knappertsbushの愛称)を聴いてみた。
この録音は有名にも関わらず聴くのがはじめてなので、少し期待しながら聴いてみる。新たにオリジナルテープからマスターを起こしたせいか、やけに音がいいのが気にいった。
さて、演奏のほうであるが、相変わらずの遅いテンポで、これでもかとロマンティックに鳴り響く。やはり、Brucknerはクナに限る。なんといっても、弦の泣かせ方が絶妙でどうしようもない。第一楽章からBrucknerの深い世界に連れて行かれてしまった。その解釈の深さ。押さえ気味の表現であるからこそ迫る感情の波。技巧に走らず、地道に積み重ねられる音がすべてに深みを与えている。そして、第四楽章。もう、なにも言葉なんかいらない。
やっぱり、クナが一番だなあと、しみじみおもった。

曲名Symphony No.8 (Anton Bruckner)
指揮者Hans Knappertsbush
演奏Munich Philharmonic Orchestra
場所BAVARIA STUDIO,Munich
日時1963/01

TOP


1999/11/07 Symphony No.6 & No.3 (Petr Ilych Tchaikovsky)

 久しぶりにコンサートに行った。もちろん、コバケン(小林研一郎)の指揮を見るのも久しぶりである。この日はちょっとしたアクシデントがあって、私は開演時間に間に合わなかったのであるが、そのおかげでちょっといいこともあった。まあ、そんなこんなでちょっとわくわくしながら、最初の演目の3番を聞いた。(第3楽章から)
 Tchaikovskyの3番は彼の交響曲の中で、もっともマイナーな作品らしい。少なくとも、私ははじめて聞く曲であった。だが、よい意味でロシアくさくて楽しめた。それにしても、この曲をコバケンは愉しそうに指揮していた。「あ、コバケンは本当にTchaikovskyが好きなんだ」と思わせる指揮振りであった。

 そして、休憩をはさんで6番(悲愴)がはじまった。今までに聞いたことのない「悲愴」であった。
 第一楽章が静かにはじまる。そこらじゅうに私の大好きなロマンティックな雰囲気を醸し出している。特に第二主題では、「ロマンチック大好き!!」というコバケンの本領発揮で、弦を泣かせる泣かせる。私は、「こんなロマンチックなTchaikovskyを聞いたことがない!」と思わず感激してしまった。そして、コバケンの気合の入った指揮。客席まで聞こえる気合の「ふん」と、急なテンポに入るときの指揮台を踏み鳴らす「ドン」。まさに、コバケンならではの指揮である。他ではこのように気合の入った指揮をみることは珍しい。

 第二楽章、第三楽章は、テンポよくそして、心地よい緊張感を保ちながら過ぎていった。

 そして、第三楽章から一瞬の静止をおいて、第四楽章が始まる。
 今までの華やいだ雰囲気がすぐに吹き飛び、暗雲が立ち込める。そして絶望、そして苦悩、人生の困難と救いのなさがそこにある。緊張感を失わない、コバケンの指揮。そして、とうとうクライマックスを迎える。そこには、なにも救いはない。そして、蝋燭の炎が消えるように最後の音を重く深く鳴らして消えるように曲が止まる。この瞬間、私は自分の人生が永遠の停止をしたかのような錯覚をうけた。指揮台の上のコバケンは、微動たりしない。交響曲がまるで誰かの生涯で、その最後の瞬間が終わり、そしてなにもなくなったかのような沈黙は続く。十数秒の静止のあと、コバケンが動き出す。嵐のような拍手。自分は引いて、あくまでもこの拍手はオーケストラの人達に向けられたものであると、コバケンは語りたいかのように、拍手をオーケストラに向ける。二度のカーテンコールのあと、コバケンが語った。余韻を残すためにアンコールはしないと。

 私は満足して家路についた。その帰路の間、ずっと交響曲のさまざまな旋律を頭の中で奏でながら。

註:第一楽章第二主題
 この第二主題は、この曲のうちでもっとも情緒的で胸の締め付けられるように美しい、哀愁のこもった旋律である。
 個人的な感想であるが、今まで聞いた他の指揮者の演奏(主にCD)は、なんかシンプル過ぎて上っ面をなめているだけの感じがするので、あまり好みではない。ただ、ここまでロマンチックなコバケンの演奏が万人受けするかはすこし疑問があるが、私は大好きである。

曲名Symphony No.6 & No.3 (Petr Ilych Tchaikovsky)
指揮者小林研一郎
演奏大阪フィルハーモニー管弦楽団
場所フェスティバルホール(live)
日時1999/10/24(日) 14:00開演

TOP


HOME